オンラインで授業や講座をするのに感じた色々

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中国武漢に端を発した新型コロナウイルスで、緊急事態宣言が出されることがほぼ確実(もう出てる?これを書いたのが7日昼だったのですが、公開8日現在では出されてますね。)ですが、多くの大学では都市封鎖の前に早々と大学封鎖をしており、入学式だけでなく授業開始の具体的な目途が立っていないところが多いのが現実です。

 

そんな中、大学の具体的な対応を待つまでもなく、積極的な教員たちは、この環境でどのように授業を継続させていくかという工夫を日々しているわけですが、私も一教員の端くれとして試行錯誤を始めました。

 

ここには、その試行錯誤を備忘録も兼ねて書いていきたいと思います。自分自身のメモ書きのページです。大学の教育環境は、施設の整備状況や教員スキル、学生スキルなどその違いが大きすぎるため、参考にはならないと思いますが、それでも、誰かのお役に立てれば幸いです。

 

オンライン授業にもいろいろある

まず一言でオンライン授業といっても、様々な形態があり、教員間でその言葉の認識が大きくずれているのも事実。そこで、自分はどのスタイルの授業であるか、というところから考えなければなりません。

 

タイプ1:1対多数での講義型授業

多くの方が想像する大学の授業は、教壇とホワイトボードの前に立って授業する姿を多くの学生が聞いているスタイル。であれば、その講師の姿をビデオカメラで撮影し、その映像を配信して学生はそれぞれの端末で見る、というスタイルでOK。でも、これだとリアルタイムである必要はないんですよね。いえ、リアルタイムじゃない方がいい

写真:いわゆる大講義室での授業

なぜなら、双方向性がないなら、いつでも好きな時に、好きな回数だけ聞ける、いわゆるオンデマンド型のビデオの方が受講生もうれしい。疲れてきたら、自分のペースで休憩して、後からまた聞こう、とか、説明がわからなかった部分を繰り返し聞こうとかできるので、学習効果が見込めそう。

一方でデメリットもあります。多くの大学は授業時間が90~100分だと思いますが、この長時間を画面を通して講義を聴くこと。一見、通常の講義を聞くのとあまり変わらないようにも感じますが、実際にやってみるとわかります。

よほど話し方が巧みな方でもない限り、1コマずっと動画というのは苦痛でしかありません。映画やテレビなども、視聴者を飽きさせないように、数十秒ごとに画面を転換させています。

これらの解決策としては、講義を内容ごとに5~10分程度で区切り、それらをオンデマンドで見せる方法が妥当なのかと思いました。最近だと、どこの大学にもMoodleのようなLMS(学習管理システム)が備わっているところばかりだと思うので、その該当授業のところに、想定される学習順に課題等を添えて配置して、学生に自主的に学習してもらう、というスタイルがベストだと思います。

そういう意味では、90分一コマを拘束する、という授業タイルには何の意味もなくなっていると思います。今後、こういう授業スタイルが大学として受け入れてもらえるかどうかですね。

 

タイプ2:少人数でのゼミ形式での授業

少人数といっても2、3人から20名前後まで、幅はありますが、ZOOMSkype(Meet Now)などのビデオ会議アプリを使って双方向に授業を進めるパターンです。人数が10人未満と少なければ、ディスプレイ上に全員の顔を表示させ、我々が普段想像しているようなオンライン会議の風景で会話のやり取りをするスタイルになります。

必要な資料はMoodleのようなLMS(学習管理システム)で配布したり提出可能なので、それを併用しながら、かつ、人数が少なければ画面越しに資料を見せたりもできてしまいます。

利用するツールについては、FacebookのmessengerLINEなどでもグループでのビデオ会議は可能ですが、これらは既にお友達同士になっている場合だとスムーズ。または、お友達になりたくない、、、という教員、学生双方いるので、その都度ごとのアクセスでOKなZOOMやSkype(Meet Now)とかになるのだと思いました。

ここ数日、何人かの方々、そして、学生ともZOOMやSkypeで話をしていて感じたのは、ビデオ会議で顔を見せるのを嫌だと感じる人が少なからずいます(先日もブログでその件について触れました。)。普段、面と向かい合って話をしているので同じだろう、、、と思うのですが、「画面」という環境がそうさせるのか、抵抗感のある方は少なくないよう。こればかりは慣れの問題だと思いますし、こちらは映像を見せるけど、相手は音声だけ、とう進め方もアリなのかと思いました。

 

タイプ3:小~中規模の人数での演習を伴う授業

授業設計で一番難しいのがこれだと思います。アクティブラーニングという言葉がもてはやされている昨今、教科書を読んで、テストやって評定終了という授業がかなり少なくなりました。(私の勤務している大学の自分が所属する専攻だとほぼない、、、)

途中でディスカッションを入れたり、グループワークをさせたり。今まで対面でやってきたこと全てをオンライン上でやろうと思うと無理があります。ここが一番の悩みどころで、これからの試行錯誤はここがメインになりそうです。

そうした中でも、数日、他の方や一部の学生たちと試行錯誤してみて感じたことを次のブログ「オンラインでもコミュニティを作るところからスタート」で。。。

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