マクドナルドからスマイル0円が消えた日

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マクドナルドが来期までに110店舗を閉鎖するということが大きく報道されていました。つい数年前に400店舗にもおよぶ大規模な閉店を行った後のこの報道。マクドナルドは大丈夫か?と思えてきますが、お店に行くと相変わらず多くの人で賑わっています。

 

サラリーマンでなくなってからマクドナルドをよく利用するようになりました。子育てをすっかり妻に任せきりになっていたサラリーマン時代から一転して、今は幼稚園の送り迎えや息子の習い事の送迎など、仕事が空いた時間に、できないながらも家事をすることも。そんな開いた時間にちょっとした時間で仕事の確認や書き物をする場によくお世話になるのがマクドナルド。

 

価格を下げるな!価値を上げろ!

2010年の閉店時には、前社長が打ち出してきた格安路線から一転して、クォーターパウンダー・バーガーなど、価格も高くボリューム感あるメニューで「ハンバーガー」=「安もの」というイメージを払しょくしたように見えました。確かに、値段を下げるな、価値を上げろ!の戦略です。

 

自分もマーケティングの授業やセミナーなどをさせてもらうこともあり、
そのたびに必ず口にするのが「顧客価値の創造」。

 

むやみやたらに価格を下げて、価格競争に入ってしまうと、消費者はそれが戦略だと頭では理解してくれても、その値段に応じた価値しかその商品、サービスには価値を見いだせなくなります。例えば、牛丼チェーンはここ数年、御三家(吉野家、すき屋、松屋)による価格戦争が繰り広げられてきました。300円を切る価格でアツアツの牛丼が提供されてしまうと、お客はその商品の「質」ではなく価格ばかりに目を奪われることに。

 

日本が最近負けまくっている家電業界も同じ状態です。結局、価格競争になってしまうと、付加価値の方に目がいかなくなる。代替可能性が高い付加価値であればあるほど、価格に負けます。「この機能便利だけど、頻繁には使わないしね、、、またすぐに買い換えるなら安い方がいい。」といった具合です。商品のライフサイクルを極端に短くしてきた戦略もここにきてマイナスに響いている気がします。

 

話がだいぶ脱線しましたが、、、
今日もちょっとした時間にマクドナルドで仕事の段取りを確認し、このブログを書いているわけですが、気がついたことが一つ。

 

スマイル0円の文字がいつのまにかなくなっているのです。

 

スマイル0円と言えば、MBA留学していたときに、米国のビジネススクールの先生までもが、「日本ではマックでスマイル0円で売ってるんだぜ~、面白いマーケティングだろ?」なんていうことを言っていたのを思い出しました。

 

いつの間にか、カウンターのメニューが一新され、単品メニューも表示からなくなり、それとともに「スマイル」も消えて行ってしまった・・・

 

この戦略がどう評価されるかは、数年後、マクドナルドの業績如何ということになるのだと思います。
いつの時代も勝てば官軍、、、経営学(経済学も?)の評論も業績如何ということかもしれません。

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