今年度は、福井大学(大学院)でのメタバースを活用した授業を前期に実施。それを日刊県民福井(中日新聞)に大きく取り上げていただけましたが、この「メタバース」という言葉の注目度が高いからか、1月中に、地元のテレビ局2社から連絡があり、福井テレビ(ftb)、福井放送(FBC)から取材を受けました。(2023/2/16追記: 福井テレビの公式ページで放送されたコーナーが動画配信されています。リンク先をご覧ください。)
具体的な取材の様子は、仁愛女子短期大学の公式ブログ(入試・地域支援課)が記事にしてくれていますが、具体的にどのような活動をメタバースで実施してきたのかということを少しだけ当ブログでご紹介できたらと思い、久しぶりに記事を書いています。
以前もブログで書いていますが、メタバースという言葉の目新しさからか、多くの方々に注目していただいた授業やサークルの様子ですが、実際には最先端の技術というわけでもなく、3D空間を行き来するようなゲームに親しんでいる方からすれば、何が新しいの?と思うのは当然のことだと思うのです。
私も今から15年ほど前、SecondLifeという3D空間が行政(自治体)で活用できないか?ということを試行錯誤していた時期もあり、今再びこのようなプラットフォームが注目を集めているのは、コロナ禍であることやNFTといったweb3の文脈で語られているからなのかな?と思っています。
授業での活用(ゼミ)
福井大学(大学院)での活用時もそうでしたが、仁愛女子短期大学の場合も、仮想空間の中で議論したり発表したりという場面でメタバースを活用しました。特に、今回取材していただいたのは、ゼミ活動の様子。卒業研究の発表会を控え、発表内容に関するやり取り(内容確認や修正の指示など)をメタバース上でおこないました。
写真で紹介しているスペースは、NTTが提供しているDOORというメタバース空間です。テンプレートを使って簡単に自分の空間を作ることもできますが、ゼミの発表や議論に最適化できるように、この空間はオリジナルの部屋を作ってみました。パワーポイント等のプレゼンを貼り付けることができる場所を大きく2か所設置したり、余計な装飾はあまりつけずに、議論用に最適化させたり。また、自分自身がどう見えているかを確認できるように、実は上の写真の手前の壁全面が鏡という作りになっています。
テレビ局の取材当日は、福井県内、寒波到来で大雪警報であり、学生は登学禁止に。ですが、メタバースだったからこそ、それぞれ自宅からメタバース空間のゼミ室に集合してのゼミになりました。発表チェックだけであれば、ZoomやTeamsのようなビデオ会議でもOKなのですが、学生からは臨場感、参加した感という点では好評なのがこのメタバース。今後は教育という視点でその効果を検証してみたいとも思っています。
写真サークルでの活用
取材対象のもう一つは、学生のサークル活動です。
コロナ禍を経て、大学のサークル活動は瀕死の状態。しかも、短期大学の場合、2年で学生が入れ替わるので、3年のコロナ禍を経て、サークル活動はほとんど行われていない状態でした。今年度入学した1年生2名が私の研究室を訪れて、サークル活動をしたい旨の相談に来て、写真サークルが復活ということになったのですが、なんと私は写真サークルの顧問もしていたのでした。
そう言っている間に、写真展をやりたい!との話を聞き、自主的に図書館で写真展を開催という運びになったのですが、大勢のお客さんに写真を見てもらうためにどうしたらいいか、ということで、メタバースの活用を提案しました。
リアルの写真展は短大附属図書館の一角を借りてというアットホームなものでしたが、メタバース会場はリアルだったら借りることができないような大きな空間で100点以上の写真を展示。現実ではちょっと難しいような展示の仕方をしたりと、メタバースであることの楽しさを活かした空間づくりをおこないました(現在は、アクセス負荷の関係で、展示の数を減らしていますが、それでも重たいようなので、割と新しいパソコンからアクセスしてください。)。
昨年2022年12月末に、福井経済新聞さんの取材(なんと、メタバース内で取材を受けました!)を受けて、Yahooニュース等でも拡散された影響からか、多くの方々からの反響を得ました。見ていたきありがとうございます。
その後、今回ご紹介したようにテレビ局の取材もあり、学生たちの活動を大きく知っていただけるだけでなく、学生たちの活動の励みにもなっています。バーチャルな空間を楽しむメタバースですが、それがリアルな活動にもいい影響として相乗効果が出ていると感じています。
私は、技術者でもないですし、メタバースを研究・開発している研究者でもないのですが、「活用」という視点でいえば、長く実際に使ってきた方だとは思います。最先端の技術でも、枯れた技術でも、活用してナンボだと思います。今後もそのような視点で情報共有できたらと思っています。
皆さんの何らかの参考になれば幸いです。
2023年2月16日追記:福井テレビ公式ページでのネット配信でご覧いただけます(期間限定?)。外部リンク