アメリカの電子レンジの取り扱い説明書
「ネコは入れないでください。」と書かれているというウソのような本当の話。
マクドナルドのコーヒーを自分でこぼしてやけどしたのを、コーヒーが熱すぎたせいだと主張して勝訴した事例も。訴訟大国アメリカではこんな事例は上げ出したらきりがないのですが、いまどきの訴訟でちょっと前に話題だったのはこれ。
アメリカでGoogleマップのナビゲーションに沿って歩いていたら、車通りの多いところをナビで指示されて、そこで事故にあいました。こんな危険な道をナビしたのはGoogleマップの責任だという訴えです。
Lauren Rosenberg: US woman sues Google ‘after Maps directions caused accident’
An American woman, Lauren Rosenberg, is suing Google, the search engine giant, because she was hit by a car after following its “safe” online mapping service. (The Telegraph)
結果的にこの訴訟は事故にあった女性の敗訴で終わっているようですが、これが認められてしまうと、メーカー側もビクビクしながらカーナビをつくらないといけません。もしくは、説明書に「ナビゲーションのご利用により生命の危機に瀕する場合があります。」とか「指示された道路状況によっては死亡する場合があります。自己責任でご利用ください。」といった注意書きが出てくるかもしれませんね。
どんどんエスカレートする過剰なまでの配慮
この件で感じるのは、いろんな分野で過保護とも思える消費者保護が最近目立つということ。
本来は力を持ちすぎた企業への対抗措置として法整備がなされたりしていくと思うのですが、あまりにも過剰な保護主義がとられると、消費者の力が衰えてしまうのではないかという懸念です。
法的な基準を守らない企業による不祥事が多数起きていることも事実ですが、その一方で、その基準や安全マークに過剰に頼り過ぎている消費者・利用者がいるような気がしています。このステッカーが貼ってあるから大丈夫、このマークがあるから安心というのは目安であって、最終的な責任は消費者・利用者側にあると思うのです。
畑でとれた野菜の消費期限は?
昔は八百屋・魚屋で買ってきた野菜や果物には消費期限なんてありませんでしたし、どうやって保存しいつまでに食べるかというのは消費者それぞれが自分の知識をフル回転させながら考えて行ったものです。たまには腐らせてしまって失敗することもあるでしょうし、悪くなったものを口に入れてしまって、「うわぁ~~!」と吐き出した経験も(汚い話でごめんなさい。)
人は失敗を重ねながら学んでいくとよくいわれますが、「変な味がする・・・」という感覚を身につけて、失敗しながら、おかしい、と判断していくものだと思います。
しかし、こうやって行政側からの保護、製品を提供する側からの過剰な親切サービスの結果、利用する側の消費者や利用者の力がどんどんと落ちているような気がしてなりません。訴訟でも、アメリカのように安易に訴えた側の主張を認めてしまうことは、長期的には非常に怖い状態になるのではないかと心配します。
カーナビの話からちょっとずれてしまいましたが、こういう状況にある今のビジネスの現状。
わがままなお客とみるか、お客様は神様ですとみるか、難しい課題ですね。
ビジネスするには非常に難しい時代になりました。
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