福井市の公民館主事会の研修で講演をさせていただきました。
タイトルは「公民館マーケティング・成功に向けた3つのポイント」
公民館というと公的なイメージが強いですが、なぜ「マーケティング」なのか。
人口減少時代の到来、まちづくり・地域活性化というキーワードが飛び交う昨今、公民館に期待される役割も変化してきています。様々な自治体が公民館のあり方について再定義を試み、そのあり方を模索していますが、自治体の合併が加速し広域行政化する現在、公民館の果たすべき役割は増してきていると感じています。
そういう流れの中、地域コミュニケーション(コミュニティ)の拠点としての公民館を考えた場合、新しい「公」の概念にマーケティングの考え方は必要不可欠になってくるのではないか。そう思い、講演のお話を頂いた時に、逆にこちらから内容を提案させていただきました。
公民館はモノを売る場所ではないですが、地域でのイベントや行事などでマーケティングの考え方が必要になってくると思うのです。
例えば、公民館が企画する地域のお料理教室があった場合、「有名シェフが教える料理教室」、「フレンチの・・・」、「イタリアンの・・・」、、、というタイトルになりがち。確かに魅力的ですが、それをどういう客層が受講するかというのが見えていないことが多いのではないでしょうか。行政の施策全般に言えることですが、どちらかといえばサービスを提供する側の都合を全面的に押し出した企画が多いと思うのです。
同じお料理教室でも視点を変えて、受講者を想定した企画を立てるなら、「男の料理教室」、「初めての一人暮らし、20代のための・・・」、「毎日のおかずに困らない・・・」、「毎日のお弁当を手軽に・・・」、「15分でできる・・・」、「冷蔵庫のあまりモノで作るプロの味」、、、といったような受講者側を想定できる企画にすることで、そのメッセージ性もぐんと高くなります。
みんなのための商品は誰もいらない商品に・・・
マーケティングにはセグメンテーション、ターゲットといった考え方がありますが、できるだけ多くの人に・・・という考えでデザインされた商品・サービスは結局誰もいらないサービスになってしまうことが多いです。例えば、化粧品を例に考えてみます。同じ化粧品でも、20代のための、50代からの、、、といったようにきっちりと年代別にセグメント分けされています。もしも、10代から60代まで幅広く使える基礎化粧品ですという売り込みをしても魅力を感じない、、、という女性が多いのではないかと思うのです。
行政機関等は「公平性」という名のもとにターゲットを絞ることが苦手です。しかし、それが原因で本来伝えたかった施策がしっかりと住民に届かなかったということがこれまでもあったのではないかと。これからの公民館(および行政)の施策にもマーケティングの考え方を反映させていくと、本来行政が目指していた施策がしっかりと地域に届くのではないかと考えます。
それにしても、反省すべきは、講演内容を盛りだくさんにしすぎたこと。
マーケティングの考えをさわりだけでも、、、と思いましたが、参加されていた方々に満足していただけたかどうか不安が残ります(毎度のことですが)。私の講演内容ももう少しマーケティングの視点で洗練させる必要がありそうです。