学祭から学ぶ – 行列ができる焼き鳥屋のマーケティング(最終回)

1回飛んでしまいましたが、今回が最終回。

大学祭でアドバイスした焼き鳥屋のお話です。(「その1」から読まれる方はこちら「その2」から読まれる方はこちら。

 

前回の最後で書いた展開ですが、実は「え!!!」ということが2つありました。

 

■1つ目の「え!!!」 – 事前の販売予測は重要

そもそも、焼き鳥を1000本しか仕入れてなかったことです。5本セットで販売すると200セット。確かに、300円で販売すると値引きせずに販売しても1日の売り上げが6万円と前回のブログでも計算しました。前年度の経験がない1回生でもあるので、販売予測がうまくできず、不安だったので1000本しか買ってこなかったとのこと。

 

しかし、どんなに売れても売上は6万円以上にはなりません。なぜなら売るべき物がそれ以上ないのですから。お客さんがいるのに売るものがない時ほど悔しいことはありません。事前の販売計画、販売予測は全体の売上を見込むという意味でも大事です。

 

実際、当日は行列が途切れることのないうれしい悲鳴で、昼を回ることには1000本がなくなる勢い。それに途中で気が付いた学生が急きょ追加で焼き鳥を仕入れに車を走らせたようです。

 

結果的に1500本仕入れて、すべて売り切りましたが、最初1000本であきらめていたら、こんないいビジネスチャンスをみすみす逃すところでした。そこは途中で気が付いて、更に追加で買いにいった学生の行動力を褒めたいと思います。

20151027

 

■2つ目の「え!!!」 – 結局1セットしか食べることができなかった。。。

実は自分自身が1セットしか食べることができませんでした。あまりの行列で遠慮して、先に3セット分を支払って「ほかの並んでいるお客さんを優先して。あとで一段落ついたころにもらいに来るから。」と整理券だけもらい、他の模擬店などを回っていたら、その間に売り切れて。結局手元に届かず^^;

 

返金してもらわずに、学生へのカンパということで、お昼ごはんにしようと思っていた焼き鳥の当てがはずれてしまいました・・・。これはいい意味での「え!」だと思います。

 

 

彼女たち独自の工夫 – マネジメントの基本を実行

1.お店のスタッフ全員でお揃いのTシャツを作成

20151105準備段階でいい雰囲気だと思ったのは、焼き鳥をするメンバー全員(かなりの人数)でお揃いのTシャツを作るという話を聞いたときです。

 

Tシャツの後ろにはそれぞれ個人個人の学籍番号の末尾の番号と名前。前には「NIKU」と書かれた面白デザインで、1枚の値段は少し張るのですが、全員で同じ洋服を着るというのはマネジメント上いい効果をもたらします(私も便乗して1枚自分のを作ってもらいました!)。

 

スポーツでは当たり前のようにユニフォームでそろえますが、これもチーム一丸・一致団結して士気を上げるため。仕事でも何かグループでプロジェクトを遂行する場合には、チーム名を決めたり、何かでそろえると形式的にでも一体感がでます。

 

気持ちが先か、形式が先か、、、という議論もあると思いますが、形式をそろえることで気持ちがそろうなら、マネジメント上は実践あるのみ。また、チームという形式が意識を作り、そして最終的にはそのチームへの帰属意識を高めて、結果よいマネジメントを生み出すと思います。

 

2.整理券方式を導入して、「待っている」心理を少しでも緩和

お客さんが来るスピードが焼けるスピードを追い越してしまい、長い行列ができて、急きょ整理券方式を導入したようです。これもいいアイディアだと思いました。

 

支払いを済ませたら、注文を書いた紙(例えば、塩2セット、タレ1セットと書いた紙など)を渡して並ばなくてもいいように(焼けてから交換)。

 

こうすることで、回転率がよくなり、長蛇の列に並ぶのがいやで並ぶのをためらっていたお客さんまでしっかりと確保できることになります。お客さんからすれば、品物がなくても、引換券だけもらって後から焼けたころにピックアップしにくればいいので、心理的な負担はかなり軽減されます。
こういうのを臨機応変に対応したことも素晴らしいと思いました。(おかげで、食べ損ねましたが・・・)

 

ところで、実はもう一つだけ些細な「え!!」があります。

それは、お隣の模擬店。

 

紙皿に炊き立ての「白米」だけを売っていたお店がありました。

 

白米だけが商品のお店の隣が焼き鳥屋というのはかなりいいロケーション。事前に知っていて出店したんでしょうか?

 

なかなかやるな、、、、でした。

マーケティングにはリサーチも欠かせませんね(^^!

 

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