先日、某所にある公営のホールに行く機会がありました。
通常であれば200~300人ほどの収容人数のホールですが、新型コロナ対応ということで、一列ずつ飛ばして座るように貼り紙があり、横同士も一席ずつ飛ばしてあるので、収容人数的には4分の1ほどになっていました。
こういう時期なのでこれは仕方のないことですし、公営施設としては当然の対応だと思うのです。といっても、実際に座っていたのはもっと少なくて、会場としてはガラガラといった状態。
座席に座ってしばらくすると、かなりご年配の2人組が座席を探して入ってきました。
最初うろうろして、座る場所を決めかねているような様子。貼り紙に気が付き、その紙を持ち上げるように読んでましたが、首をかしげているような様子。
「ここに座るんかねぇ・・・」といった声が聞こえてきましたが、
心の声「いえいえ、そこに座っちゃいけないんです・・・」と思い、声を掛けようと思ったタイミングで、その貼り紙の場所に座ってはいけないということを周囲の状況から理解したようで、、、
でも、そのご年配の2人組は悪くないと思ったのです。なぜなら、その紙にはどこにも「この場所をあけてください」「ここに座らないでください」などという言葉が書かれていない。
「Keep Distance」で「座らないで」が伝わるか?
ソーシャルディスタンスという言葉もかなり日本語として広まりましたが、「Keep Distance」は理解してもらえたのか?そして、この紙に書かれていたのは日本語でなく英語。
近年、ユニバーサルデザインという言葉も広まり、ピクトグラムやデザインで意味を伝えようという動きもあります。私はそのような流れには基本的に賛成なのですが、たまに、あまりにも意味を伝えていないのでは?というデザインを見かけることも。
特に、新しくできた公的施設の表示サイン、トイレなどに多い気がしてます。
世界中を考えれば、言語も違うし、色を判断するのが弱い人もいます。文字が読めない人だっているかもしれません。ですが、大勢に伝わらないと意味がない。そうやって文字や言葉は発達してきたはずです。現に、文字そのものが、そうやって抽象化してきた集大成だと思うのです。
今回のホールの表示の例であれば、「この場所には座らないでください」と一言あれば、先ほどの2人組も迷わずにすんだと思います。
みんなのために、未来のために、伝えるための再チェックしませんか?
というお話でした。