こんな時代だから大学生も新聞を読もう~!

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今期の大学の授業で「コミュニケーション演習」という科目を担当しています。これは、コミュニケーションについて考える一方で、PBL(Project Based Learning)の一環として地域の課題に対して取り組み、解決策を提示しようという内容。

 

今年度から仁愛女子短期大学と地元の福井市が包括連携を結んだこともあり、福井市の「ある課題」について取り組ませていただく予定なのですが、その一方で、コミュニケーションの本質を学生たちと一緒に考えよう!ということで、オーソドックスですが、新聞を使ってブログにまとめる、他の学生の書いたブログを見てコメントを残すということを課題の一部として始めてみました。

 

IT歴が長い方だと、今更ブログ?今更新聞?と思われるかもしれません。

 

しかし、この時代だからこそのブログであり新聞だと思います。

その理由は主に2つあります。

 

1.スマホの台頭による偏った情報からの脱却

今どきの大学生はほぼ100%に近いくらいスマホでネット接続しています。そもそも接続という概念がないのかもしれませんが、、、。そうするとブラウザ等でアクセスしてネットという感覚ではなく、スマホという機器の一部としてネットに接続しているかどうかも意識せずに使っている状況。そこに映る情報も、「誰が」とか「いつ」ということの意識は限りなく低くなり、「スマホから出てきた情報」という意識しかない状況だと思うのです。

 

また、情報も、自分で取りに行って取捨選択するというイメージから、既に自分の嗜好にあった情報が提供者側から選別されて与えられている状況。例えば、楽天やアマゾンなどのネットショップで検索した情報が、別のサイト閲覧時にどのような広告が表示されるかのデータとして再利用されて、自分の好みの情報ばかりが表示されたり、ツイッターやSNSではつながりがあるからこそ、自分の興味があるつぶやきや意見ばかりが周りに集まりやすくなっています

 

ただ、コミュニケーションのベースには、自分で判断をして、、、というプロセスが欠かせないわけですが、そもそも判断の基準となる情報が偏っていたりする状況を何とかしなければいけないわけで、それ以前に、利用者である学生が情報が偏っているかどうかさえわからない仕組みの中で情報を使っている現状を何ら型の形で知る必要があると思ったわけです。

 

新聞というメディアもある意味偏っているかもしれませんが、地域の情報がまんべんなく掲載されているという意味では、この時代だからこそ新聞なのかな、、、と思っています。(その場合、新聞は紙である必要はないのかも・・・ですが)

koshi_harvard

 

2.自分で客観的に情報発信することを再認識

次に、情報を発信するという視点から。

LINEなどのアプリで特定の仲間と閉じたコミュニケーションだけをしていると、どの情報がどこまで届いていて、誰が見ているかなんていうことの意識も希薄になりがち。だからこそ、数年前によく問題になったツイッターでのバカなツイート(バイト先での常識を逸脱した写真等のつぶやき)などが出てきてしまうのでは?と思うのです。

 

不特定多数に読まれるという意識で自分の意見を書くことで、情報を峻別する感覚が養われるのではないかということも狙っています。また、クラスメートが選んだ新聞記事で書かれたブログの内容を今度は読み手の視点でコメントをするということも。

 

ブログのプラットフォームは2008年から福井の大学連携で使われてきたFレックスを利用。福井県内の大学生と大学関係者だけに閉じた空間なので、教育的な意図(つまり授業)で、慣れていない学生にブログを書かせるという意味では最適です。

 

ということで、メインとなるのは「課題解決」ですが、授業を補完するサブ的な活動として、しばらく学生たちと新聞談義をしたいと思っています。

 

多少でも、時事問題に興味をもってくれたらな、、、という期待をこめて(笑)

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