農村力デザイン大学 - 農村力をデザインする
今期からスタッフとしても参加している「農村力デザイン大学」
2008年9月学期に参加していろいろと感じたことなどをメモ的に残してみます。もう少しまとめてから書こうかとも思ったのですが、そうしているうちに時間だけが過ぎていくので、メモですね。それを前提に読んでください。
初日は仕事等の都合もあり、桐山さんのお話は聞くことができませんでした。彼女は神奈川県生まれですが、片品村で「片品生活塾」という活動をおこない、炭焼きを手伝いながら炭アクセサリー等の販売をしているという20代の女性。昨年度もデザイン大学に来ていただき、いろいろとお話をすることができましたが、今回は聞けなくて残念でした。またの機会に皆さんにご紹介できたら、、、と思います。
地元の「おばちゃん」が元気な町 - あざみの会を訪ねて
二日目午前からの参加となったのですが、まずは池田町の農業についていろいろ知る!ということで、バスに乗って実際の刈り取りの現場やライスセンターを見学。池田のライスセンターが品質を保つために火力を使って加熱していないということも知ることができました。
その後、田楽能舞でも知られる池田町水海(みずうみ)地区で活動されている女性グループ「あざみの会」の方々のお話を聞きに、水海地区の公民館へ。
このあざみの会、キビ団子の販売で有名で、池田の直販所だけでなく、福井市内のショッピングモールや県内のイベントでも目にすることができる名産品なのです。聞くところによると、売上は数百万だとか。先日、徳島県の「いろどり事業」のことを書きましたが、ここ福井県池田町の事例もそれに負けないものがたくさんあります。池田できび団子を作っている「お姉さま方」も60~80歳というから驚きです。
午後からは、結城登美雄先生の講義
結城先生は宮城県の「鳴子の米プロジェクト」でも非常に著名なお方。誰も見向きもしなかった鳴子のお米を一俵24000円という通常の流通過程では考えられない高値のブランド米に変身させたプロジェクトの立役者なのです。
ただ、結城先生のお話を聞いていて「なるほど」と思ったのは、食の価格ことをわれわれ消費者がもっと理解しなければいけないということ。
現在、食の安全・安心が叫ばれて久しく、世間では最重要課題であるとの認識はだれしも同じだと思うのですが、安い食糧を求めるために我々消費者が捨ててきたものがあるのもまた事実なのです。スーパー等で、見た目だけきれいに商品化された食品が、「安全である」ということを前提として価格を見てきたわけですが、本当にそれが安全なのか?という根本的な問題に向かわなければいけない時代に来ています。
先ほどの一俵(60Kg)2万4千円のお米も、市場価格からみたら、かなり高いのは間違いありません。ですが、そこにはおいしさだけでなく、安心もついてます。また、高い安いの基準もあくまで他のお米と比べたら、、、の話。実際、60Kgのお米からはお茶碗1000杯分のごはんが炊けるとか。ということは一食24円です。この24円というお米の価格が高いか安いか。ついついスーパーで手にしてしまうお菓子やジュースなどの嗜好品の価格と比較すると驚くような安さではないですか?
このような比較をしていくと、われわれが普段何気なく「高い!」と口にしていることの根拠は何だったのかと、考えさせられます。
こんなことを書いていると、「おまえ、ビジネススクールいってたんだろ?大丈夫か?」と言われそうですが、欧米型の市場原理に支配されて価格決定していく現在の流通を根本から見直さなければいけない時期に差し掛かっているのだと思います。こんなことをいろいろと研究できたらと、、、漠然と考えているのですが、あまりにも大きなテーマなので、まだまだ勉強不足なようです。