システムアナリストとは
システムアナリストとは「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が実施する情報処理技術者試験の中の区分です。国家試験として情報処理推進機構(IPA)の情報処理技術者試験センターが実施しています。
システムアナリストが何者?という方は上のリンクから情報処理推進機構のページに行っていただいて、スキル標準のシステムアナリストの場所を見ていただければその概要がわかると思いますので、ここでは詳細は述べません。
この試験の難易度は?
情報処理技術者試験の中で最難関だと言われていますが、個人的にはそれほど難しい試験だとは思えませんでした。実際に企業や組織の中で情報戦略立案に携わっているような部署で実務を行っていく上では当たり前の知識を問われているだけです。
試験の中身よりは、試験に慣れる事、時間内に問題を処理することの方が大変だと思います。ただ、現在、試験改革により、将来的に「システムアナリスト」という区分の試験がなくなる予定です。個人的には、普遍的な経営に関する知識と情報に関する知識の双方をうまくミックスした試験だと評価していただけに、なくなることは非常に残念です。
価値ある試験かどうか?
この試験の価値というと語弊があるかもしれませんが、社内で情報戦略立案に携わる方なら持つべきだと思いますし、情報系コンサルタントとして働くならなおさらです。
日経ITプロの「いる資格、いらない資格」でも、システムアナリスト試験はIPAのプロジェクトマネジャー、システム監査技術者と並んで上位に位置しています。行政機関などの入札案件でも、プロジェクトチーム内にシステムアナリストやシステム監査技術者がいることを条件にしているようなケースもありますので、そういう方面でも有益な資格としての評価を受けているのだと思います。
よく、「試験なんて意味がない」とおっしゃる方がいますが、自分の技術を客観的に相手に伝える手段としては「資格」ほど適切なものはありません。個人的には試験に合格していて初めて言うことができるセリフだと思ってます。(ただ、厳密な意味ではシステムアナリストは国家資格ではなく国家試験です。この資格がないと特定の業務ができないかというとそうではないからです。ある意味、実力認定試験といった方が正しいです。法律に基づいた国家試験であることに変わりはないのですが。。。)
合格対策として何をすべきか
2004年に初めて受験して合格しました。実際にどのような準備をしたかと言われると、参考書1冊、問題集1冊を買った程度でしょうか。実際の業務として情報戦略の立案や情報システムの企画・立案等の仕事をしていたので、午後II論文試験の題材には困りませんでした。
ですから、合格のためのアドバイスというのはうまく言えないのですが、情報システム関連の業務に携わっている方なら、常にシステム開発の前提を考えるということでしょう。ほかの情報処理技術者試験と違って、システムアナリスト試験は「経営」という視点が非常に強い試験です。
システムアナリストに期待されている業務が下記であるようなことから考えても当然だと言えます。ですので、この試験はコンピュータ関連試験ではないと割り切ることです。経営コンサルタントになる試験だ、と割り切った方が試験内容に合致します。
システムアナリスト:スキル標準(出典:IPA)
- 経営事業戦略立案への助言
- 情報戦略の立案
- 情報システム構想の立案
- システム計画の立案
- 情報システム開発
- プロジェクト計画作成への支援
- システム評価
- 情報化コンサルテーション
日本システムアナリスト協会
システムアナリスト試験合格者の組織として日本システムアナリスト協会があります。ここでは、現場で活躍されているシステムアナリストの方々と有益な情報交換がなされているようです。合格したらぜひ入会してみてください。
なお、同様の組織は他の試験区分にもあり、システム監査技術者試験であればNPO法人日本システム監査人協会というのがあります。