SLAとは - サービスレベル協定書
SLAとはService Level Agreementの略で、サービスレベル協定書などと訳されることもあります。具体的には、役務提供型の契約をする場合に、そのサービスの質についての事細かな約束事、つまり仕様書をしっかり定めたものというのがその実体です。
もともとは、アメリカの通信事業者等で提唱された考え方で、社内での情報管理部門がその他の部門に対して品質保障をするときの指標となるようなものが始まりだったと記憶しています(すみません。間違っていたら直します。)。
お役所でもSLAという考え方が少しずつ広まってきていますが、この考え方が斬新かというと決してそうではなく、いままでの「なあなあ」からの決別というだけのことです。
そもそも、保守契約とか役務提供型のサービス契約を行う場合に、どの程度のサービスを受けるか(つまり、サービスレベル)ということははっきりさせる必要があります。
お手伝いさんのSLA - 家政婦さんに何をしてもらう?
ちょっとおかしいかも知れませんが、家族の都合で家にお手伝いさんを雇う場合のことを考えてみてください。
そのお手伝いさんが来てもらえる時間や曜日はもちろんですが、その仕事の内容で、家事全般といっても、料理をすることだけなのか、そこにはもちろんお皿を洗う後片付けも入っているのか、翌日の子どものお弁当の準備も含むのか、掃除はどの部屋までするのか、トイレ掃除は、お風呂掃除は、庭の手入れは、花の水やりは、ペットの散歩は・・・と果てしなく広がっていきます。
料理だって、もっと詳細に決める必要があります。というのは、料理するにも材料はどうするのか、冷蔵庫に用意されているのか、必要なメニューは自分で考えて買いに行くのか・・・
頼まれる方(つまり、サービスを提供する方)としては、これらがはっきり決まっていないと自分の労働がどの程度までなのか、このサービス契約をするかどうかを決めかねます。もっと言うとその報償はいくらなのか、ということを知ることができません。
「まぁ、うまいことやっといてよ・・・」と雇用主から言われて、「そこまでされては・・・」というパターンと「そんなこともしてくれないの・・・」では大きく違います。このように、役務提供型の契約にはその提供されるサービスの質というものが存在します。
契約内容は事前にはっきりと・・・は、どの業界も同じです
冷静に考えなくても、上記の例は情報システムの保守契約に全て置き換えることができます。
保守契約といっても、その保守の対応時間は、機器だけの保守なのか、運用保守なのか、保守すべきシステムの範囲は、障害時の復旧までに要求されている時間は、費用発生時の部品交換の費用負担は誰がするのか、こちらも数え上げたらキリがありません。
実際に、システム障害時に1時間以内に駆けつけ対応が必要な保守を依頼する場合、そのシステムを24時間監視する必要がありますし、それに対応できる職員を常に1時間以内に駆けつけられる場所に拘束する必要があります。この人件費がいかに高いかは、企業の人事担当者ならわかっていただけるはずです。(役所では頻繁に人件費が無視される傾向にありますが、、、このあたりが役所にコスト感覚がないといわれる所以なのでしょう。)