ケースメソッドとは
ケースメソッドとは、事例を中心に据えた教育手法や授業のスタイルのことです。アメリカのビジネススクール(MBAプログラム)やロースクールでも盛んに採用されていて、特にビジネスの世界では、ハーバード大学のHarvard Business Reviewがケースの教材として有名です。
どのように授業(教育)を進めていくかについては、その指導者や学校等の方針により様々なスタイルがありますが、一般的には、事例素材をもとに個人が予習を行い、その事例について、グループディスカッションを行うというスタイルが一般的です。
ビジネススクールでの事例素材では、最後に題材となったビジネスが今後どのように展開していくのでしょうか?という投げかけで終わっているものが多く、現状分析+今後の展開というのをクラスでディスカッションしたり、プレゼンしたりというスタイルで授業を進めていくパターンが主流です。
もともと、このケースメソッドとういのは法学部(ロースクール)の判例(ケース)学習が主なものだと言われていますが、経営学、特にアメリカのMBAプログラムなど、理論より実践というスタイルに重きを置く分野で積極的に取り入れられてきています。
ケースメソッドを活用するメリット
ケースメソッドのメリットは様々なものがありますが、一番の利点はその教育効果だと言われています。
単に知識として暗記をするよりも、事例(ケース)を通して理論を適用していくため、習得した知識の残留率が高いとされています。単に知識を詰め込むだけでなく、実例だということで関心も高くなりますし、自分自身が主役になって考えたり、グループでコミュニケーションを図りながらというプロセスを経るため、効果が高いといわれています。
上記のような理由から、日本の大学教育等でもケースメソッドを採用する学校が増え、特に、アメリカ同様に、ビジネススクール(経営大学院)では積極的に活用しているところもあります。慶応大学のビジネススクールは、早くからこのケースメソッドを取り入れた授業で知られています。