最近、カメラを買いました。
そのカメラはとても不便なカメラです。
画質は200万画素と、イマドキの携帯電話よりも画素数は少ないですし、撮った後の発色もよくありません。フラッシュもついていないので、暗いところでの撮影はほぼ不可能です。
それ以前に、ファインダーもなく撮影時のアングルさえ決められない、液晶画面もないので、パソコンにつないで見るまで、どんな写真が撮れたかも確認できないのです。
こんな不便なカメラをなぜ買ったのか?
答えは単純
欲しかったからです。
実は合理的に行動しない消費者
大学や短大でビジネス演習をやったり、企業さんのビジネスセミナーなどで「マーケティング」の基礎的なお話をさせていただくことも多いのですが、いわゆる教科書的な説明では、消費者は合理的に行動するというのがセオリー。
よりよい製品をより安い価格で求めようと動いていく。というのが誰もが納得する消費者行動です。
しかし、人間、時として、とても不合理な行動に出ることも。
採算度外視で作られたような製品に出会ったり、その一方で、値段に見合っていないような製品に多額を投じるようなケース。
このカメラも、クオリティーの極めて低い画質に不便極まりない操作性なのですが、なぜかそこから出てくる写真は不思議な「味」があります。
いま「トイカメラ」というジャンルがひそかに人気なようで、現像するまでどんな写真かわからない!というアナログな写真に似た不便さや色の風合いが非常にうけているのだとか。
自分もそういう写真の魅力(不便さの魅力?)に魅かれて一つ買ってみてしまったわけですが、こういう嗜好の消費者がいるからニッチが存在し、市場が面白くなっていくのでしょうね。(写真のカメラですが、超ミニサイズ。片手ですっぽりと包めます!)
難しい話は抜きにして、しばらくこの不便さを楽しんでみようと思います。