食と環境と子供たちの未来を考えて
3年前から、福井県池田町のNPO法人農村力デザイン研究所が主宰する「農村力デザイン大学」に参加しています。大学といっても、いわゆる大学ではなく、関連する一連の講座の名前なのですが、池田町の杉本博文町長を学長に、伊藤洋子氏(東海大学教授)を副学長に迎え、毎回、著名な講師陣と農村力について考えるという、大変貴重な会となっています。
今年はその4年目ということで、これまでは受講生という立場でしたが、今年からスタッフとして参加させていただくことになりました。
池田町と言えば、福井県で一番小さな自治体としても知られていますが、その一方で環境に対する先進的な取組や、観光・農業等のユニークな事業でも知られています。県内自治体が次々と合併していく中、唯一合併の道を選ばなかった小さな町であり、財政的にもかなり厳しいはずですが、だからこそ、その工夫が随処に見てとれます。
池田町のアンテナショップとしてすっかり有名になった「こっぽい屋(ショッピングシティーベル内)」は、おばちゃん達が池田町産の有機野菜を販売する小さなお店というイメージでしたが、今では年商1億円というから驚きです。金額も確かにすごいですが、それ以上に、池田町のスタイルに共感する方が多いのだと思います。
農村力デザイン大学もそんな取組の中の一つ。
毎回いろんな方々がデザイン大学を受講されていますが、本当に様々な地域から来ていただいており、県外では、東京都をはじめ、愛知県、三重県、島根県、滋賀県、大阪府、宮城県、福岡県、埼玉県、そして、海外はカナダからと、このテーマに関する関心の高さを感じています。
最近では食品の産地偽装問題などがクローズアップされていますが、食やライフスタイルに関する関心は高まるばかりです。
農村力デザイン大学といっても、農業のやり方を話す場ではなく、食のことや環境のこと。もっと身近には生活や文化、ライフスタイルといった幅広い分野に及びます。決して堅苦しい内容ではなく、皆がそのような問題に気づき、その問題意識を共有できるような場があるということが大事だと感じています。
日本がまだ農業大国だったころに大切にしてきたもの。そして、今忘れ去られようとしているものを、皆で考えてみよう・・・そんな取組なのだと思います。今年はどんな方々が参加され、どんな議論ができるのか、本当に楽しみです。