最近、新聞やネット上でも「地域活性化」「街づくり」を話題にした記事をよく見かけます。そういう自分も現在、福井にある女子短大でこのようなテーマのゼミをやっているわけですが、これらをテーマにすると必ず出てくるのが「無駄な公共事業」「失敗した公共政策」の事例。
最近では東京に建設予定の巨大スタジアムの設計を白紙にもどすのか、そのまま突き進むのか、なんていうことが話題ですが・・・評価が難しいところです。
一度走り始めた巨額の公共事業をなかなか止められない姿をみるといつも思うのが「埋没費用の誤謬 – Sunk Cost Fallacy」という問題。そういえば以前にも同じトピックでブログを書いたことを思い出しました。もう7年も前ですね。(埋没費用:サンクコストの解説はこちら)
埋没費用の誤謬 – Sunk Cost Fallacy
埋没費用の誤謬の例として、解説書などでは様々な事例が挙げられていますが、私が真っ先に思い浮かんだのは自治体の公共事業。
国や自治体の事業というのは基本的に「ミス」はないというのが前提になっていますので、一度資本投下した事業から撤退するというのはよほどのことでもない限りあり得ません(最近はそうでもなくなってきましたが)。「今ここで止めたら、どれだけの税金が無駄になると思う!」という決め台詞を掲げて事業の見直しをすることなく何十年もの間継続してきた公共事業ですが、行政経営という言葉が飛び交う昨今、埋没費用を切り捨てる勇気も必要な時期に来ているような気がします。
いつの時代もこういうことを指摘され、問題点として議論されていると思うのですが、この手の課題はなくなる気配がありません。
ダメだとわかっていても人は繰り返してしまう。
また7~8年後に「そういえば、こんなことを書いていたな・・・」なんて振り返っていそうです。
サンクコストの問題は永遠の時事ネタの問題なのかもしれませんね。